9月入学議論で。

コロナによる休校の学習を取り戻すこと、そして留学生を増やす、あるいは留学生を受け入れるためにも沸き起こった9月入学論。我が家の子供たちも3ケ月ほど休校が続いた。さらに、高3の受験生がいることもあり、9月入学論には賛成をしていた。小学校から大学まですべての学校を9月入学にするのは難しくても、大学だけは9月入学に変えれば良いと考えていた。
高校卒業は来年だけは8月にして、その後は変わらず3月にする。卒業をして働く人は4月から働く。大学進学をする人は9月入学までは休み。実際には多くの学生は試験勉強をするはずだ。そうなれば高校生活も最後まで楽しむことができ勉強をする時間もとれる。また、勉強以外でもやりたいことができる。そうすると大学卒業は8月となり、9月から新社会人となる。企業からすると新入社員を迎える季節が変わるが自ずと変化するだろう。但し、これにもデメリットはある。来年、高校を8月に卒業して働き始める人の就職活動をどうするかだ。
高校卒業までは今と変えない。大学入学だけを9月に変えていく。これが現実的で最も良いのではないかと考えていた。さすがに小学校からすべての学校を変えるのはたくさんの障害があるだろうと思っていた。
しかし、そもそもの前提が違うのではないかと思い始めている。本当に休校で遅れている学習を来年3月までの期間で取り戻せないのか?また、9月入学にすれば本当に海外へ行く留学生や海外から来る留学生が増えるのか?
それを前提で進められた議論だが、そこが本当なのかどうか。議論ではこういうことは起きる。そもそもの前提をしっかりと確認せずに、議論を進めてしまう。そして、そこでの結論をもとに対策案の実行を進めるが、問題は解決しない。それは、そもそもの前提となる課題の捉え方が間違っていたからだ。
まずは、なぜ9月入学にした方がいいのか?今回のコロナとは関係なく考えると、留学生を増やすこと、そして、受験シーズンが1月、2月となり受験生の体調問題の解消が挙げられる。まずは、9月入学にすることで留学生が増えるのかという点については怪しい。留学生が増えない原因が時期の問題なのか?を確認しておかなければいけない。それが問題のひとつではあるのだろうが、どれほど大きな原因となっているのか?他に大きな問題があるのではないか?を確認する必要がある。国内には今すでに留学生を増やしている大学もある。
受験生の体調問題については確かに7月8月を受験シーズンとすることで解消されるだろう。これは、間違いないメリットかと思われる。
それから遅れた学習を取り戻すことについては、確かに休校をしていた3ケ月分と取り戻すには、+3ケ月が必要に思う。ただ、これも実質の授業数、特に3月、4月、5月は春休みやゴールデンウイークなど休みが多く、また卒業式や入学式などの行事もある。なので、実質の授業数はどれぐらいなのかを数字で押さえる必要がある。さらに、この際、国語、算数などの主要科目に絞るようにすれば、さらに必要な授業数は減る。今回は、それだけを取り戻すようにすれば、どうなるのか?
こうした前提になってくると議論の内容が違ってくる。そのうえでメリットとデメリットを比較して決めるようにしなければいけない。
今、コロナにより非常事態となることで、新しいことが次々と決まりがちだ。そして、一度、決まったものはコロナ収束後もそのまま受け継がれることになる。平常時に戻った時に、後悔をしても改められない。非常時は物事を変えるチャンスであり、変えやすい状況でもある。しかし、その勢いで決めてしまったことが後々困ることになることもある。
非常時と平常時を冷静に見極める必要がある。
非常時の勢いで決めることも大事だが、そもそも前提を今こそ冷静に見る眼も必要になっている。

