中小企業でDX導入の前に。

例えば1ケ月で1000万円の粗利を上げる住宅リフォーム会社が2社あるとする。
一つの会社では、粗利高、粗利率、原価、受注売上げがそれぞれ以下のようになっていた。
200万円 20% 800万円 1000万円
150万円 25% 450万円 600万円
300万円 20% 1200万円 1500万円
350万円 20% 1400万円 1750万円
合計
1000万円 20.6% 3850万円 4850万円
もう一つの会社では
200万円 30% 466万円 666万円
150万円 30% 350万円 500万円
300万円 30% 700万円 1000万円
350万円 30% 815万円 1165万円
合計
1000万円 30% 2331万円 3331万円
だった。
さて、両社の粗利高はどちらも同じ1000万円。しかし、原価と受注売上げが違う。その理由は粗利率が違うから。
受注売上げ
①4850万円
②3331万円
原価
①3850万円
②2331万円
同じ粗利1000万円を上げているのだが、原価と受注売上げは1500万円も差がある。受注売上をみれば1社目の方が上げているが、どちらの会社の社長になりたいだろうか。
それから同じ粗利を上げているのだが、社内ではどちらの方が忙しく仕事をしているだろうか。粗利を下げるには資材のコストダウンや工程の短縮化が必要。粗利率が高いのはそれができている証拠。
単純には言えないが社員や取引業者の仕事量は原価と比例する。原価が大きくなればなるほど仕事量が増える。受注高だけではなく、原価で仕事量が変わる。
②の会社が①と同じ原価の仕事をしたとすれば、約1500万円の原価の仕事を粗利率30%で受注をするので、受注売上2000万円ほどが積みあがる。合計すると5330万円となる。ここから粗利高(30%)を計算すれば1600万円の粗利高となり1.6倍になる。
仮に原価で仕事量が決まるとすれば、粗利率の差は稼ぐ力の差となる。①の会社が上げる粗利を1.6倍の余裕でもって上げられるのが②の会社となる。
粗利の低い仕事を数多くとるか、それとも数を減らしてでも粗利率を上げる、あるいは工事中に下げないための仕事をしていくか。
どちらを選ぶかとなると、10人の社長がいれば10人ともが②を選ぶというはずだ。
しかし、現実となると①のやり方で仕方ないと言いながらやっている会社が多い。
例えば、工事着工前の社内確認を営業社員、営業責任者、施工責任者、設計、大工さんなどの協力業者立ち合いのもと進めるのは施工中の粗利率ダウンを防ぐことになるが、それを導入しようとするとこれだけの人が一緒に集まるのは忙しくて難しいという。
そういう会社の粗利率は低い。それを改善するための取り組みを進めようとするが、忙しいという。粗利率の低い仕事であれば数を減らして時間をつくり、粗利率を高めていくためのことに取り組まなければ何も変わらないのに。
粗利率が低い仕事であれば、たとえその仕事が減っても構わない。
DXで生産性を上げようと最近はよく聞かれるが、その前に粗利率を高める仕事へ取り組むことの方が先決だと思う会社の方が現実的には多い。
DXの前に、粗利率を上げる。さらにリフォーム会社であれば施工中に粗利率を下げない取り組みを!

