本当にそれが長所なのか、それとも短所が長所なのか?

船井総研には長所伸展法という考え方がある。
コンサルテイング会社のなかには短所や欠点指摘型の会社がある。今ではあまり聞かれなくなったが、その代表的なものが「経営診断」というものだ。
現状をあれこれと診断をする。そして、人間の健康診断でもそうだが、あらゆるところを診断すればするほど、悪い箇所は見つかるものである。一方で、上手くいっているところや優れているところもあるはずなのだが、診断ではどちらかというと良い部分よりも悪い部分に焦点があたる。
コンサルテイング会社でもこのような欠点を指摘して、改善法を提案してくるところがある。
船井総研のコンサルタントはそのようなことはしない。
その会社やお店の良いところを探し、指摘し、そして、それをさらに伸ばす方法を提案する。これは、人材育成でも同じように考える。新入社員の場合はご支援先企業に役立つひとつの武器を持つようにする。それを磨きこんで、成果を上げられるようにするところから始める。つまり、お客様に役立つ長所(武器)を持つところから始まる。
他にもその人が持つ才能や性格を活かすことを考える。
但し、少しややこしい話をするのだが、目に見えている、あるいは感じられるその人の才能や能力が本当に長所なのだろうかということがないだろうか。
その人が上手に生きていく術として身につけてきたということがないだろうか。そして、本当は別の才能を持っているのではないだろうか。本人も気づかないうちにそれを忘れてしまっていないだろうか。
例えば、私は本来はもっと勝ち気でやんちゃな性格だったとする。ただ、まだ幼いときにそれがあることで大きな失敗や人に迷惑をかけ、大人にきつく叱られていたとする。
そのことで、勝ち気な性格を引っ込めるようになり、それよりも周囲に気を配り人の気配を気にする性格になったとする。それを長く続けていると、人へ気配りができることが長所や才能となる。そして、欠点や短所としてもっと前へでてリーダーシップを発揮する方が良いと言われる。
本来は、それが長所なのだが。
あるいは、今は猪突猛進型で自分の目的や目標を達成しようとするパワーは他の人よりも明らかに強く、才能として見える人がいるとする。その人の欠点や短所はそれによって傷つく人や迷惑を感じている人が見えないことや配慮ができないこと。
それで、欠点や短所として周囲への愛情が足りないと言われる。
ただ、もしかするとその人は本来は愛情深い人で、やはり幼い頃にその愛情深さで大きく傷つけられた経験があったのかもしれない。それによって、行動が変わり、新たに才能や能力が発揮され、それが今では目に見える長所となっているのかもしれない。
こう考えると、人の場合は、何が長所で短所なのかが分からない。すべての人はすべての才能を持っているとも言える。育った環境や経験によって才能を伸ばしてきた。
つまり、人においては長所とか短所とかを気にするのは意味がないのかもしれない。手に入れたい才能や性格があるとすれば、それが手に入れられる環境を探せばいいのではないだろうか。
思い込みや決めつけはしない方がいいかと。可能性に視点をあわせ、それを手に入れる環境を探すのが良いのではないだろうか。また、意識としては短所を直そうというのではなく、新たな才能、あるいは忘れている自分の強みを思い出そうと考える方が良いように思う。
間違ってはいけないのは、自分が短所と思っていることを自分の力で直そうとすることだ。それで直ることはないし、ストレスがたまるだけ。
自分自身への決めつけや思い込みはやめよう。未来の可能性に焦点をあわせ、短所は新たな才能を開発するために誰かが教えてくれるメッセージくらいに思っていた方がいい。
それよりも、今の長所を徹底的に伸ばし、そして、付き合う人や環境を変えることで新たな才能を手に入れるように考えればいいように思う。

