期待と応援の違い。

なぜ、人の欠点が見えてしまうのか。
親は子供には期待をしてしまうものだ。自分が子供時代はどうだったかは忘れて、自分が子供だったとき以上のことを期待をする。
事業承継で先代の社長が後継者の子供を見る時も同じかもしれない。期待をしていないのであれば、気になることも少なくなるだろうが、多くはそうではない。期待をしているから、欠点が目に付く。
そうすると、できないことばかりが目に付くようになり、それが長く続けば続くほど、今度は期待ではなく、諦めを抱くようになる。
子供や後継者にすれば迷惑な話である。勝手に期待をされ、そのイメージとは違うからと言って、今度は諦められる。自分は何も変わっていないのだが、相手の評価が変わってしまった。
社長も50代、60代となると事業承継を真剣に考え始めるようになる。私も事業承継の相談を受けることは多いのだが、そのときに「自社の事業承継にはまったく心配していない。」とか、「息子は本当にしっかりやってくれているので、安心して事業承継ができる。」といった話を伺うのは稀なケース。
「とても今のままでは無理。どうすれば良いか。」、「ほかの後継者候補を探さなければと思うが、そのような人もいないし、、、、。」といった話を聞くことの方が多い。そして、そのように見ている後継者候補にはどのような仕事をさせているかというと、総務や企画担当といったケースが多い。営業や工務などいわゆるライン業務での部門責任者となっているケースは少ない。
なぜ、そうなっているか。営業や新規事業立ち上げなどで活躍できるようにと期待をしているのだが、長い親子関係があるからなのか、親である社長は諦めていると感じることが多い。
期待をするとは相手の未来の姿を見ながら今を見ようとする。「こうなって欲しい。」「これはできるはずだ。」といった未来の姿を見て期待をする。未来の姿を見ることは大事なのだが、それ以上に大切なのは今の姿を見ることだ。
息子さんへの事業承継を考える社長から、「私は息子へ期待をし過ぎでしょうか。」と聞かれることがあった。それを聞いて私は息子さんの未来の姿を見て、諦めてしまっている発言と思った。なので、私は「いや、まったくの反対で期待をしなささ過ぎでしょ。もっと息子さんには可能性があるでしょ。」と答えた。
息子さんのこれからの世界を小さく見ているように感じられた。
さて、「応援」という言葉がある。これは私は可能性が感じられる言葉だと思っている。そして、相手の今をしっかりと見ることになると思っている。
今の相手をしっかり見て、未来の可能性を信じて、応援をする。
期待と応援。
これは目線が相手に向かっているのかと自分に向かっているのかの違いがある。
期待は自分目線、応援は相手目線。
応援目線で立つことで、未来の可能性は大きくひろがる。
期待よりも、応援。
応援を大事にしよう。

