強者の風格と強者が勝ち抜く難しさ。

全国で夏の高校野球が開催されている。県代表も決まり始めている。ただ、今年は各地の地方大会で強豪校とされる学校の負けが多いようだ。それも、ライバル校とは見られていない学校に負けているようだ。
コロナの影響で十分な練習やライバル校はじめ他校との練習試合ができていないことがある。本来の実力が発揮できないまま負けてしまうのは、選手たちは悔しい思いをしているはず。
残念ながら甲子園は無観客と決まった。昨年は中止だったが、その前まで私は毎年、甲子園で観戦をしていたのでとても残念。そこで、府大会を観戦してきた。試合は、準決勝の二試合。それぞれの試合に、履正社と大阪桐蔭が出場する。両校とも全国優勝の経験があり、大阪を代表する強豪校だ。
二試合とも類を見ないほどの好ゲームになった。いずれも延長タイブレークにもつれこんだ。結果は、履正社は興国高校に負けた。大阪桐蔭は関大北陽に勝った。二試合ともどちらが勝ってもおかしくない試合だった。
そこで、感じたのは強者が勝ち抜くことの難しさである。強者は勝って当然という周囲の空気がある。また、それは選手たちも意識するしないに関わらず影響を受けているはず。
一方で、挑戦校となる相手校は、それこそ死に物狂いで全力でぶつかってくる。昨日の試合でも、興国高校も関大北陽もピッチャーを次々と変えてきた。先発を2回に変え、また変えたピッチャーも打たれるとすぐに変えたときもあった。一方で、履正社と大阪桐蔭は一度変えただけ。
また、ベンチや応援席の盛り上がり方が全然違う。興国や関大北陽は一本のヒットが出れば大騒ぎ。連打しようものならお祭り騒ぎとなってくる。そして、これが選手をますます勢いづける。弱者が強者を追い詰めていく勢いがでてくる。
これにのまれてしまうと強者も劣勢に立たされる。強者はこの流れや勢いをチーム全体で受け止めなければいけない。
また、強者は一本のヒットを打ったところで、それほど盛り上がらない。先制点を入れても、追加点を入れても、それほど盛り上がらない。王者、強者の風格なのだろう。ただし、これが足元を救われる危険がある。熱くなれない、というか。盛り上がるべきところで、盛り上がれない。そのままの流れで進んでしまうと、自分たちの力を出せないまま負けることになってしまう。
二試合とも強者の戦い方、弱者の戦い方の違いが感じられる試合だった。
大阪桐蔭は9回と延長の二度、追い込まれた時があった。私も負けてしまうかもしれないと思った。しかし、両校で唯一のホームランで追いつくなど、見事にうっちゃった。
強者は、負けない。負けないから、勝つ。そんなことを感じる試合だった。
大阪桐蔭には、強者、王者としての風格が感じられた。毎年、強いチームを育ててくる大阪桐蔭が、今年も全国でどこまで通用するのかを見たい気もするし、50年前に夏の高校野球で優勝経験がある興国が久しぶりの甲子園で戦う姿も見たい。
大阪から出場できるのが、一校というのが残念だが仕方がない。ついに、今日、大阪大会の決勝戦が行われる。

