年収400万円が高給の時代へ。

いま若者のなかでは年収400万円が高給のイメージになっているという記事を見た。なので、「月給は手取りで20万円欲しい。」とか、「年収で400万円を目指したい。」といった会話がされているようだ。
日本人の年収データを調べてみると上がっているどころか下がっている。私が社会人になった30年前は、450万円を超えていたようだが、今は430万円ぐらいまで下がっている。
私の感覚で言うと年収400万円台というのは、大企業や大手企業に正社員で入社すれば、一年目からもらえる給与額というイメージがある。そのため、年収400万円台を目指すというのは違和感を覚える。
そして、年収400万円を目指すという若者が増えていることについて給与が上がらない日本、あるいは若者の欲が下がっているなど、否定的な論調が多いのだが果たしてそんなに悪い事なのだろうか。
我々の世代であれば社会人になってどれぐらいの年収を目指すのか?と聞かれれば、分かりやすく1000万円!と答える人が多かったのではないかと思う。少なくとも500万円以上、そして、高給となれば800万円や1000万円というイメージだった。
何のためにそれほどの高給を求めたのかと言えば、欲しいものが多かった。マイホーム、自動車、時計に服、鞄、靴、海外旅行へもたくさん行きたいと思っていた。マイホームは中古住宅を買うような時代ではなく、新築は当時から高かった。服もユニクロのようなお店はなく、フリースは1万円以上するなど高かった。お金がかかることばかりを考えていた。他に楽しみを見つけられなかった。
また、年収によって子供の学費に補助されるような制度もなく、以前は私立の高校へ通わせられるのは、お金持ちのお坊ちゃんやお嬢さんに限られた。
年収400万円を目指す人が多い時代というのは、それだけの年収でまずまずの暮らしができると考えているからではないだろうか。年収400万円も夫婦が共働きをすれば世帯年収800万円となる。共働きは30年前からすると、900万世帯から1250万世帯へと300万世帯以上増えている。ちなみに、専業主婦世帯は900万世帯から600万世帯を割るところまで減っている。この傾向は今後も続くだろう。
マイホームは良質な中古住宅を選ぶこともできるし、空き家が増えていて実家や身内で空き家になった家をリフォームして暮らす人も増えるだろう。車は買わない、お酒も飲まない。服は信じられないほど安くなっている。海外旅行も工夫をすれば安く行けるようになった。
一人が稼ぐ年収は増えていないかもしれないが、暮らしぶりはそれほど変わっていない。
AIやロボット化の時代を考えると、これからも平均年収が上がることはないだろう。そのなかで以前では考えられなかった年収額を稼ぐ若者も出てくるが、多くの人の年収は上がらない。
年収400万円を目指したいという人がこれからは増えてくる。そのような時代にマイホームやリノベーションをどう提案していくか?資材価格の上昇が続く中で考えておかなければいけない。

