問題とは何か。

「問題を解決する」と言うが、そもそも問題の認識が間違えていることが多い。
コンサルタントとして社長に新事業の立ち上げを提案すると、「今は既存事業で忙しく、人員が足りないためにできない。」と言われることがある。
この場合の問題は人員が足りないこと。あるいは、今の社員では能力不足だと考える。そこで、今の社員がもっと力をつけて来るのを待つしかないとか、新規採用が必要だと考える。
しかし、社員が思うように育つこともなく、良いと思える人材を採用できることもない。というよりも、採用が必要だと思いながら、何もしていないという場合が多い。
ということは、新規事業を立ち上げるための問題が社員の能力不足でもなければ、新規採用でもない。つまり、人員が足りないためにできないというのではない。
それは、問題のはき違え、あるいは新規事業をやらないための言い訳なのだ。
では、新規事業が立ち上がらない問題は何なのか?
中小企業であれば、トップである社長が新規事業を立ち上げると決めていないことである。そして、新規事業を立ち上げて達成すべき目標を決めていないこと。これが、問題なのだ。
では、なぜそれを決めていないのかと考えると、今の事業が業績が伸びていて調子が良いので新規事業を立ち上げる必要性を感じていない。あるいは、その新規事業を立ち上げることに魅力を感じていない。または、今の自社の力を考えると(これはつまり社長自身の能力)、その新規事業は難しいと考えているといったことがある。
このような思考を変えて、新規事業の立ち上げと適切な目標を決めたとする。そこで、初めて目標と現状を比較して、そのギャップ、つまり問題が明確になる。
そして、必要な対策が浮かび、優先順位付けを行い、その順序に沿って、実行を進める。そこでも、すべてが思うように進むとは限らない。トライアンドエラーを繰り返す。しかし、目標に向かって確実に進むことになる。
社長が新規事業を立ち上げると決めていない中で、人が育つことはないし、新たな人が採用できることもない。
新規事業を立ち上げると決めて、目標を達成ていくための計画やプランを立てて、動き始めたときに問題が見えてくる。
社長が自分自身や会社の今の姿だけを見て、会社の未来を考えてしまうこと。これは間違いなく会社の成長を止める。会社は変わる。そして、会社が変わるとは、社長が変わり、今の社員も変わる。さらに、新しい人も増える。
その可能性を追い求めない姿勢が会社や組織の成長においては最大の問題なのだ。

