価格帯を下げることはできても、上げることは難しい。

住宅会社がこれから5年、10年を考えたとき、どのような成長戦略を描いていくのか?
今の商圏に対して、今の商品でシェアを上げていくのか?これはあまり大きな成長は描けないが。それとも、出店をしてエリア拡大を図るのか?
これは今の客層を変えないで進める展開になるが、客層を変えていくこともできる。しかし、この時にいま主力にしている客層によって、展開の内容が違ってくる。そして、それは大きくは2つの違いがある。いま主力としている客層が低価格帯なのか、それとも高価格帯なのかの違いである。
住宅会社の場合、低価格帯とされるのは、いわゆるローコスト住宅や規格住宅と言われるところ。建物価格は1500万円以下であり、客層の年収は300万円台。
こういう会社の場合に考えられる事業展開は、今の低価格帯商品による積極的な出店でのエリア拡大戦略。それから中古住宅の仲介事業をしながら、そこにリフォームをセット提案していく中古リノベ事業。そして、低価格帯の建売事業と中古再生事業。このような事業展開が考えられる。
これらは事業内容は違うのだが、客層は年収300万円台であることが同じ。客層を変えていない。
一方で、高価格帯の注文住宅事業の場合は違ってくる。建物価格は2000万円以上で、客層の年収は400万円台以上で、500~700万円くらいが中心になる。
このような会社の場合は、今の高価格帯商品による出店に加えて、価格帯を下げた展開もできる。建物価格が1500~2000万円の中価格帯事業、そして、1500万円以下の低価格帯事業である。そして、低価格帯においては、建売事業、中古リノベ事業、中古再生事業といった展開もある。
この場合は高価格帯から、価格帯を下げている。では、同じように低価格帯から中価格帯、高価格帯へ上げていく展開もあるのではないか。確かに、違う客層を狙っていくという意味では同じなのだが、髙→低と比べて、低→髙は難しい。実際、髙→低の展開で事業拡大を成功させている事例は多くあるが、低→髙で上手く成功させている事例はきわめて少ない。
価格帯は、下げるのはできるのだが、上げるのは難しいことを表している。
但し、エリア拡大は低価格帯はひろげていきやすいが、高価格帯になると難しくなる。低価格帯事業の方が再現性が効きやすいからだ。
このように今の主力事業がどの客層をターゲットにしているかによって、これから5年、10年の展開は変わり、目指す事業体が違ってくる。
より早く、より遠くまで成長していくには、適切な事業戦略を描くことも大事になってくる。

