日ハム、斎藤祐樹選手の引退について。

10月になり、朝晩は肌寒さが感じられるほどに、また夜は虫の音が聞こえる季節になった。すっかり秋だ。燃え盛る夏が過ぎ、静かな秋になった。食欲の秋、運動の秋と言われるが、どこか寂しさやものがなしさも感じる季節である。
相撲界では大横綱、白鷗の引退が発表された。子供がまだ小さい頃、大阪で開催される春場所に何度か行ったことがある。花道を歩いてきた白鵬関を子供を抱っこしながら見たことがある。そのときは、体全体が白く光っているように見え、神々しさを感じた。
強い白鵬がいるのが当たり前だった大相撲から、いなくなるのはやはり寂しい。
それからリーグ優勝に向けて盛り上がりを見せるプロ野球だが、一方で先週あたりから今期限りで引退を決断した選手の発表が続く。
その中に、日本ハムの斎藤祐樹投手がいる。彼の場合は、あの夏の甲子園で投げ合った田中投手との決勝戦のインパクトがあまりにも強すぎて、常に周囲からは田中投手と比べられる存在になった。
特に、斎藤選手がプロ野球に入ってから、そのような見られ方をするようになった。その頃のマー君はすでに楽天で活躍し、エースと呼ばれるほどになっていた。そのような時に齊藤選手も期待を背負って日ハムにドラフト1位で入団。同じパリーグとなったことでマー君との対戦にいきなり注目されるようになった。3度対戦したことがあるようだが、すべてマー君が勝っている。
齊藤選手は2年目までは1軍で勝利していたのだが、3年目から怪我で思うような投球ができなくなる。一方で、マー君は大リーグへ挑戦し、ヤンキースで大活躍をしてエースになっていく。その頃の年棒は20億円を超える。ちなみにマー君がこれまでに稼いだ年棒はかるく100億円を超える。
齊藤選手自身は気にしないでおこうと思っても、周囲はそのようには見ない。常に、マー君と比較される。そうなると意識しないではおられない。きっと。しかし、現実は怪我をしてからは思うような投球ができない。目の前の練習を続けるしかなかったと思うのだが、引退を決断した今、斎藤選手は何を思うのだろうか。
ニュースでは、独立リーグでもチャンスがあれば野球を続けたいと言っている様なので、野球が好きな気持ちは変わらない様に感じられて嬉しく思う。
引退とは言え、まだ33才。これからの人生の方が長い。あの決勝戦を経験し、プロ野球に入ってからの時間があったからこそ今があると話す齊藤選手が見られる日が来ればいいなと思う。
そして、いつの日か斎藤選手とマー君がお互いの人生の頑張りを讃え合って、笑顔でガッチリと握手する時が見られればいいなと思う。

