当事者意識を持つために必要な事。

私もコンサルタント駆け出しの頃は上司や先輩のご支援先に同行をさせてもらっていた。そこで、どのようにコンサルテイングを進めるのか、あるいは先方の社長や社員との接し方などを見て学んだ。その後は、私が新しく入社してきた若い人を同行に連れていくようになった。これまで何人の人を同行者にしてきたのかは分からないが、100名くらいにはなるかもしれない。
また、今でも同行をしてもらっている。新入社員から2年目、3年目の人が多い。私との年の差は、25才以上にもなっている。同行を通じて、私が感じたことや改善して欲しいと思ったことをフィードバックしているのだが、そこでよく言っているのが「当事者意識を持つ」こと。
同行をして上司や先輩のサポートを続けているだけではダメ。初めのうちは場に慣れるという意味があるが、それを何度繰り返しても、コンサルタントになっていくための経験にはならない。ただの補助員でしかない。そこで、次に担当をしてもらう領域をつくる。その部分については実行してもらえるように改善策をまとめて提案をしてもらう。これでコンサルテイングを経験してもらう。
しかし、これも長く続けたとしてもコンサルタントにはなれない。全体が見れないからだ。そこで、私は「自分が担当している領域以外のところも、自分自身が提案をするつもりで参加しているように。」と同行者によく話す。同行者ではなく、その会社の業績を上げていくメインのコンサルタントのつもりで参加するようにということだ。これが、当事者意識を持って参加するようにということ。
ただ、そこで正直な人は、「当事者意識をどのようにすれば持てるのかが分かりません。」と言われることがある。初めの頃は「何を言っているんだ!当事者意識とは、自分がメインのコンサルタントになったつもりで参加することだよ。」と言うのだが、冷静に考えてみると確かにそうかもしれないと考えたことがあった。
一度も経験をしたことがないことに当事者意識は果たして持てるのだろうか?
当事者意識を持つには、「自分だったらどうするか?」を考えられなければできない。ただ、それはこれまでにまったく経験したことがないことでもできるのか?想像できるだろうか?これまでに一度でも経験をしたことがあれば考えられる。しかし、一度も経験をしたことがない事に対して、できるだろうか?とふと考えた。
若いコンサルタントがある時、急に成長を始める時がある。その初めの成長タイミングで多いのが、自分自身のご支援先企業を一社持てるようになった時である。これほど当事者意識が高まることはない。また、その経験が、他の上司や先輩との同行への当事者意識を高めることになる。なぜなら、自分でも一社ではあっても、コンサルテイング全体を経験しているからだ。そこで、「自分だったらどうするか?」と考えられるようになる。
さて、このことはコンサルテイングの仕事だけに言えることではない。住宅会社や住宅リフォーム会社の営業にも通じるし、リーダー職など管理者の仕事にも言える。
当事者意識を持つことは、その人の成長を促進する。そのために、一度、経験をさせること。それが当事者意識を芽生えさせる。「自分だったこうする。」が考えられるようになる。あるいは、「あの時の自分はこうしたのだが。」といったことも考えられる。自分との比較ができ、違いが見つけられるようになる。「何回も当事者意識を持て」と言うよりも、一度、経験してもらった方が早い。

