伸びる人材を採用する。

企業が成長するためには人材が欠かせないが、コロナ不況で採用環境が売り手から買い手市場へと変化しそうだ。中小企業では大企業以上にこれまでは採用に苦労をしていたが、これからは良い人材、能力が高い人材を採用する好機となる。
ただし、採用で気を付けたいのは頭数採用にしてしてはいけないということ。目標人数を決めて、その達成に意識が向きすぎると採用ハードルが下がり、採用ミスマッチにつながる可能性が高くなる。特に、成長を続ける中小企業では採用ハードルを年々上げなければいけない。3年前、5年前よりも会社が成長し大きくなっているのであれば、採用ハードルは3年前、5年前よりも上げなければいけない。会社が成長をしているのだから、当たり前だ。
ただし、やはり難しいのは人材の見極めである。将来、我が社で活躍する人材をどう見極めるか。これが難しい。ちなみに、私は船井総研でメンバー増員のために中途採用に関わっていたことがある。今ではもうやっていないが、数年前までは多い時は年間100名以上の人とは会っていた。そして、私が良いと思った人材で無事、役員面接にも合格をして入社している人が10名ほどいる。
秘かに私が嬉しく思っているのが、そのすべての人がリーダーやマネージャー、なかには部長になっているということだ。コンサルテイング業界のなかでは船井総研は退社率が低い方とは言え、他業界と比べると退社率は高い。そのなかで、この結果は嬉しい。
また、これまでに多くの新入社員を船井総研で見てきた。中途社員も含め、伸びる人もいれば、成果を出せずに辞めていく人もいる。もちろん、その原因がすべて本人にあるとは思わない。たまたま配属されたチームや上司が良くなかったのかもしれない。また、船井総研で成果を上げることだけが成功や幸せではないとも思う。ただ、こういう経験をしてきたなかで、成果を上げる人とそうでない人の違いは私の中でルール化できていることがある。
私は中途社員の採用面接で、「船井総研に入りたい!」と言う人はまず採用をしなかった。もちろん、その理由として、しっかりとコンサルタントになりたいと考えていることが分かれば違うのだが、その理由が曖昧で船井総研に入りたいという人は即座に×をしていた。あるいは、社会の役に立ちたいとか地方を救いたいといったことを言う人も高い確率で×をしていた。
稲盛和夫さんは成果を上げる方式として、「成果=考え方×熱意×能力」を示す。私はこれを採用にも使っていたが能力については、それほど高いハードルは設けていない。読み書きそろばん、それとコミュニケーションが少し人並み以上にできれば十分だと思っていた。それよりも、考え方と熱意を重要視していた。また、熱意は考え方に影響を受けると思っているので、考え方重視で考えていた。
採用後に伸びる人間は、伸びたいと思っている。当たり前のことなのだが、まずはここが最も重要。口では誰もが伸びたいと言うので、その見極めが最も重要。
「なぜ、伸びたいと思っているのか?」
この理由で採用するかどうかをまずは決める。それから、「その自信があるか?」を聞く。これも誰もが自信はあると言うので、その理由を聞く。次に、「運があると思うか?」を聞く。これも多くの人は自分には運があると言う。これも、その理由を聞く。運は他人や物が運んでくるものだと言われるし、私もそう思っている。ということは周囲から好まれるようにならなければいけない。好まれない人は運がないのだ。人や物に好まれるというのは、運には必要だし、運がある人は成果を上げるということだ。
船井総研で成果を上げている人が入社時からどのような人だったかを思い浮かべてみても、ここに書いたことがほぼ当てはまる。
これから採用環境が買い手市場へなっていく。ただ、頭数採用にはならないようにしたい。将来、我が社でしっかりと活躍してもらう人材を選ぶようにしたい。そのときの判断基準として参考にしてもらえればと思う。

