上手くいく事業承継と失敗する事業承継。

私もこれまで多くの事業承継を見てきた。
そのなかには先代時代よりも会社を大きく成長させたケースと、事業規模はそのままかあるいは縮小していったケースがある。
この違いはどこにあるのか?
最近の成功例として有名な企業では「ジャパネットたかた」だろう。一時期は業績がダウンをしていたが、今では見事にV字回復をさせている。
一方で外から見ていてもゴタゴタが感じられ業績も不振なのが、大塚家具だろう。
どちらも共通するのが子世代への事業承継を行っていることである。そして、一方は成功し、一方は今のところ上手くいっていない。
この違いはどういうところにあるのだろうか。先代と後継者の考え方や行動にどういう違いがあるのだろうか。
私が見てきた事業承継と共通するところを紹介したい。
まずは後継者が社長になるまでの間で、実績を上げていることがある。新事業を立ち上げて業績を上げた経験をもつ承継者は、社長を引き継いでからも業績を伸ばすケースが多い。
例えば、ジャパネットたかたの二代目高田社長は、東京本部の立ち上げや流通部門の改革で手腕を発揮し、成功に導いている。また、これは先代の高田社長は手を付けなかったところである。
それから、先代の社長は事業承継をした後は、上手に任せている。少なくとも外からはそのように見える。承継後の経営には口出しをしていない。
それが見事だったのが、やはりジャパネットたかたの先代社長である。承継後は一切口出しをしなくなったようだ。会社のことはマスコミの情報から初めて知ることがあると言う。
このように承継をする社長は社長になる前に実績を上げている。そして、譲る側の元社長は承継後は経営に口出しをしない。これが事業承継に成功する会社に多く共通することである。
言葉にすればシンプルなことで、これまでにも言われていることで目新しいことではない。しかし、このことが実行できる会社とできない会社があるのはなぜか?
特に、先代が承継後も経営に口出しをしてしまうのはなぜか?
実はそれも簡単なことだと思っている。次にチャレンジしたい新しいことを見つければいいだけなのだ。そして、後継者はもちろん周りがそれを応援する。次にやりたいことが見つかれば、承継した会社のことを考える余裕がなくなる。
ジャパネットたかたの高田社長は会社を承継してからは長崎のサッカークラブの社長に就任した。他にも長崎を盛り上げる活動を精力的に行っている。
会社を承継する前に後継者社長がやらなければいけないこと。そして、先代社長が承継後にやるべきこと。これを計画的に進めていくことができれば事業承継が上手くいく確率が高くなる。

