ウィズコロナでしなければいけないこと。

39県の緊急事態宣言が解除され、今日には大阪モデルによる解除が発表される。これから、徐々に解除に向けた動きが始まっていく。ただ、この状況が完全に晴れるということはなさそうだ。なぜなら、そのゴールは治療薬の開発でしかなく、それが開発されるには、あと1~1.5年は必要となるからである。アフターコロナの世界は、来年2021年の春から秋まで待たなければいけない。
それまでの間が、ウイズコロナである。私個人的にはウイズコロナという言い方はあまり好まない。何をすればいいのかがはっきりとしないからだ。ハッキリ言って、今から来るのは不況である。だから、コロナ不況と言うべきだと思っている。そうしなければ対策が遅れると考えている。
トヨタ自動車の豊田社長は、「コロナはリーマンショックよりインパクトが大きい」と言っている。そして、これはトヨタに限らず世界の自動車会社がリーマン以来の苦境に直面している。なぜなら、世界メーカー工場稼働率が49%にまで下がり、これはリーマン時の62%よりも低い。世界の自動車メーカーの工場の稼働率が半減している。
また、アメリカではデフレ圧力が起きている。消費者物価指数がリーマン時と並ぶところまで落ちている。特に、航空運賃や衣料品で過去例を見ない大幅な値下がりとなっており、今後はユーロ圏や日本でも同じことが起きる可能性が高い。
アメリカでも日本でも倒産企業が、サービス業、小売業を中心に増加している。国内では4月743件(前年比15%増)、このなかで新型コロナ関連は142件。今後は倒産企業数の増加とともに業種も幅広くなっていくだろう。
これは明らかに不況である。まずは、そう認識をすること。そして、その間はあと1~1.5年続く可能性が高い。
私はリーマンショックが起きた翌年2009年10月に船井総研主催の米ロサンゼルス視察ツアーに参加した。その目的はアフターリーマンの世界を見に行こうというもの。リーマンから1年経っていち早く業績を回復させている会社やリーマン前と変わらずに業績を伸ばしているお店を見に行こうというものだった。
そのときの視察先は、ウオルマート、トレダージョーズ、ダラー・トゥリ―、フレッシュ&イージー、99セントオンリーストアー、ホールフーズ、ターゲット、住宅不動産関連ではエコリフォーム特化企業、富裕層向け高齢者コミュニティ住宅、超富裕層向け高級住宅、デザインセンターなどを視察した。
当時のアメリカの住宅不動産市況は、新築戸建ての建設戸数がリーマン前とリーマン後で60%以上の減少だったので、業界には激震が走っていたのがうかがえる。
苦境に陥っていたのはデザインセンター。中途半端な贅沢感や見栄消費を喚起するような事業は一気に悪くなっていた。一方で、コンセプトがしっかりして、ターゲットが明確で、ファン客がいるお店は良好だった。
それから、当時の船井総研三代目小山社長がしきりに言っていたのが、「空白マーケットをつくれ!」ということ。「まだ存在しないマーケットをつくりだし、そこで一番になれ!」ということ。
それから増えてきたのが、コンパクトハウス、超ローコスト住宅、定額制住宅、未使用車軽専門店、一円パチンコ、コンパクト葬儀。あるいは、俺のフレンチなど“俺の”シリーズ(2011年)、肉バル、串カツ田中(2008年)、ユニクロ旋風、ドン・キホーテなどだ。
私が考える住宅不動産業界におけるウイズコロナ戦略は、今の不況期を好機としていくための取り組みと新業態開発に向けた取り組みの2つを進めること。
まずは今の不況期を好機とするためには、①客層変化への対応、②組織力強化への対応である。
客層の変化とは、顕在客が減り買い控え客が増えることへの対応である。顕在客については契約率を高めるアクションが必要となり、買い控え客には不安心理の解消を行うアクションが必要となる。
組織力強化とは実は不況期は組織の一体化が進めやすいというのがある。ただ、それには強いメッセージがいる。豊田社長のように。世の中が不安心理で覆われる中、社員も同じように不安になる。そこで、トップが強いメッセージをだす。場合によっては、コロナを仮想的としながらでも、戦う姿勢を強く打ち出す。
それから、自分たちの強みを再認識する。そのために、「なぜ、お客様は〇〇〇〇〇でなければいけないのか?」の答えを考え、共有する。〇〇〇〇〇には自社の社名が入る。自分たちの強みを認識すること。これが不安感を抱いているお客様の背中を押すことになる。買い控えようかとしているお客様の心理に寄り添うだけでは今は決まらない。背中を押してあげる力が必要。強気セールスが必要なのだ。そのために、自信がいる。
1~1.5年は続く不況のなかで、何をすべきなのか?それをぜひ明確にすることがウイズコロナ戦略である。
そして、何よりも大事なことは、「不況期の最大の敵は自分たちのマインドにある」ということを認識し、後ろ向きな情報に惑わされずに、強気の客志向を大切にすることである。

