「結論は?」と何度も言われるストレスから解放される方法。

今年も新入社員がやってきました。
ただ、今年はコロナ感染の影響で入社式を中止にしたり、リモートで行ったり、また入社後の研修も在宅ワークで受けたり、場合によっては入社後に会社へ一度も行っていないという新入社員の方もいらっしゃることでしょう。
そして、会社で迎える人も4月も半ばを過ぎようとしているにも関わらず、まだ一度も配属された新入社員と会っていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そういう私もまだ直接は会っていません。リモートでミーテイングなどをしております。リモート歓迎会もありました。
私は社会人となって25年以上になりますが、このようなことは初めてです。
このような中で新入社員の方は何かと不安に感じることも多いでしょう。また、受け入れ側も経験がないことばかりで戸惑うことや新たな準備に忙しくしている人も多いと思います。
さて、このような状況でスタートした2020年春ですが、いづれは直接会って仕事もできるようになってくるでしょう。ところで、仕事をしているとスキルを求められるようになりますが、まず必要になるのは「報告」スキルではないでしょうか。
上司や先輩とあるいはチームや組織で仕事を進めていくと、自分の仕事の状況や頼まれた仕事の進捗などについて報告が求められるようになります。
そのときに上司や先輩が言っていることでよく聞かれるのが、部下や後輩からの報告を遮って、「で、結論は?」や「結論から言って。」という言葉です。
上司や先輩は悪気があって言っているのではありません。仕事で忙しいために時間の節約や効率的に時間を使いために、知りたいことを早く報告をして欲しいと思っているのです。
そのことは部下やメンバーも分かっているのですが、何度も「で、結論は?」と注意を受けています。本人は結論から報告をしているつもりなのかもしれませんが、どうも違うようです。
また、上司や先輩は、「結論から言って!」と何度も伝えているにも関わらず、報告の内容がいつまでも変わらないことにイライラすることはないでしょうか?
なぜ、このようなことが起きてしまうのか?そして、この問題を解決するにはどうすればいいのかについてまとめました。
なぜ、「結論から言って」と何度も言われてしまうのか?
私はコンサルタントとしてご支援先企業の営業会議を進めることが多くあります。
そのときに、上司や先輩が営業成果を報告しようとしている部下に対して、「報告は結論からね。」と言っているのをよく見ます。そして、それを聞いた部下は「分かりました。」という素振りを見せて、報告を始めるのですが、残念ながら結論からの報告にはなっていません。
「このお客様と出会ったのは、いつで、そのときはご家族みんなお揃いでいらっしゃって、お話をしたのは●●●のようなことです。それから●月●日にその後の検討状況をお聞きするために電話をしてお話をしました。そのときは、●●●と仰っていたので、●●●することをご提案して、お約束をいただきました。それから、他にもいくつかの会社と相談をしているようです。そのなかの●●●という会社については、●●●と仰っていました。・・・・・・・」
と部下は話し続けます。
そして、それを聞いている上司や先輩の表情はどんどん険しくなっていく。
その後も「結論からと言っているにも関わらず、いつまで経っても変わらない。」と上司や先輩はいつもイライラし、そして部下は結論から言っているつもりなのに、「なぜ上司や先輩はイライラしているのか?」と思う。
また、その後も「結論から言って」と同じことを何度も言われる。
なぜ、このようなことが起きてしまうのか?
自分では結論から言うようにしているつもりなのに、何度も同じ注意を受けているという人にお聞きしたいのは、「結論とは何ですか?」ということです。
いかがでしょうか?結論とは初めに何を伝えることでしょうか?
それが分かっていない限り、上司や先輩が求める結論を話すようになることはできません。
なぜ、何度も「結論から...」と言い続けなければならないのか?
部下や後輩に何度も「結論から言って」と言っているにも関わらず、変わらないことにイライラしているとすれば、彼らが結論の内容を分かっていない可能性があります。
結論とは何を言うことなのかが分かっていない。「それぐらい言わなくても分かるだろ。」と思いたい気持ちは分かりますが、それを伝えることで、このようなイライラが解消されるとすれば、一度は考えてみる価値もあるのではないでしょうか?
そして、部下や後輩が結論から話を始めるようにならないのは、それを教えていない上司や先輩にも原因があるのです。
また、なぜ結論から話すことが大事なのか?そのことも伝えるようにしましょう。
例えば、先ほどのようなご支援先での営業会議でのことです。私が、上司や先輩が「結論から言って」と言っているにも関わらず、部下からの報告がそのようになっていないと感じたときは、次のような話をします。
「●●さん、今の報告は結論からの話にはなっていません。状況の説明になっていますよ。」
「結論から話すことは、営業として提案力や営業力の向上にもつながっていくことですので、会議での報告が上手になるだけではなく、営業としての実力をつけ成長にもつながっていくことなので大事にしてください。」
「この場合の結論とは、お客様のニーズ、予算、時期、決定権者、競合状況、そして、ご契約をいただけるのはいつになるのかなどの見通しを話すことです。」
「ちなみに、ニーズとはお客様が今回、●●●を考えるようになった理由です。」
「これらを初めに話すようにしてください。そして、お客様と接客をするときも雑談など色々なお話をするのは仲良くなるためにもぜひしてもらっていいのですが、ここで挙げた5つのことは常に頭において確認することを忘れないでいてください。」
ざっとこのように話します。
つまり、結論とは何か?そして、結論から話すのは上手に報告ができるようになるためではなく、あなたが営業として成果を上げていくためにも必要なことですと伝えるのです。
結論を言った後はどのような話をすればいいのか?
このように上司や先輩は、結論とは何を言うことなのかを具体的に教えてあげてください。それは、上司や先輩としてあなたがそのときにまずは知りたいと思っていることです。それを伝えてください。
そして、できれば結論から話すことが、部下や後輩の成長にどのようにつながっていくのかについても話すようにしてください。
「そんなことを言われてもなぁ。すぐには思いつかないよ。」という方もいるでしょう。今はそれでもまったく構いません。ただ、何度も「結論から言って。」と同じことを言い続ける人には、それが分かっていない可能性がありますから、ちょっと考えてみてもらえればと思います。
それから、結論から話すようにしているにも関わらず、何度も同じ注意を受けるという人は、上司や先輩が言う結論とは何なのかが具体的に分かっているかを確認してみましょう。そして、それがもし分からない場合は直接聞くようにしましょう。「●●●さんが言う結論は●●●であっていますでしょうか?もし違うようであれば、教えてください。」と。
さて、このようなことを意識して話していると結論から話せるようになりますが、会話は結論を話すだけではありません。その後も、続きます。そこからは、どのように話すのが良いのでしょうか?
基本的には伝えた結論に対して、上司や先輩から質問がくるはずです。質問を受ければ、その質問に同じく結論から答える。例えば、営業会議であれば、「お客様に予算を上げてもらうことはできないのですか?」と聞かれれば、「そこは厳しいと思います。(結論)なぜなら、●●●だからです。(理由)」とか、「そこはまだ確認がしっかりとできていないので、上がる可能性はあると思っています。(結論)次回は、その確認のためにも、●●●のような話をしてみようと思っています。(自分の考え)」といったようにです。
コミュニケーションギャップにこそ、発見がある!
さて、今回は何度も「結論は?」と言われてしまう理由と、そう言われないための解決方法についてお伝えしてきましたが、この問題の本質はコミュニケーションギャップにあります。
今回の場合は、上司や先輩が言う結論と、部下が捉える結論の内容や意味が違っていた。もしくはお互いに理解ができていなかったことが原因なのです。
そして、このようなことは仕事をしていると案外多く起きています。特に、これまでは学生として過ごしていた新入社員は今の会社に入社し、初めて社会人として仕事を始めています。
これまで学生だったときに過ごしていた世界とは大きく違っているはずです。初めて聞く言葉も多いはずです。分からない言葉を聞いたり、出会ったりしたときに質問や確認ができないことで、コミュニケーションギャップが生まれてしまうことがあります。
特に、業界の専門用語やその会社だけで使われる特殊な言葉は恥ずかしがらずに質問はできるのですが、聞くのが恥ずかしいと思われる一般的にも使われている言葉には質問ができないために、コミュニケーションギャップが生まれやすくなります。
今回とりあげた「結論」も、そのひとつです。
ぜひ、新入社員の方は恥ずかしいと思うかもしれませんが、そこは少しだけ勇気をだして聞いてください。それが、案外、先輩や上司にとっては本質的なことを考えるきっかけにもなるのです。ですから、先輩や上司は聞かれたことは、はぐらかすことなくきちんと答えてあげてください。
なかには、「そんな当たり前のこと聞く?」と思う事もあるでしょう。ですが、いい機会だと思って、きちんと考えてみる。当たり前と思っていることをきちんと答えるのは難しい時もあります。そのときは、一緒に考えてみれば良いでしょう。私は、そうしています。
また、このようなコミュニケーションのなかで、新たな気づきや忘れていたことを思い出すきっかけになることもあります。
新入社員の方も入社して半年も経ってくると、そのような質問もしてこなくなります。その分、新たな気づきを得る機会が減るとも言えます。
ぜひ、新入社員の方は今の視点や感じていることを大事にして、質問をするようにしてください。
そして、先輩や上司はその質問に答えることであらためて大切なことに気づいたり、思い出したりするきっかけにしてもらえればと思います。

