「今年の漢字」から学ぶこと。

毎年恒例の今年の漢字が京都の清水寺で発表された。
私は毎年、知人と一緒になって当てにいくことを楽しんでいる。これまで10回近くしてきただろうか。毎年思うのは発表された字を見ると、当てるのは簡単そうに感じるのだが、実は案外難しいということ。
そして、難しくしているのは、人の心理が働くからだと思っている。
また、このことはマーケテイングやマネジメント、日ごろの生活でも大切なことを教えてくれているように感じている。
ちなみに、今年の漢字は「密」が選ばれた。その前に発表された今年の流行語大賞は「三密」。普通に考えれば、「密」だろうと考える。
実際、今回私が予想した字も、「密」だった。今回は、1位が「密」で回答率16%、2位は「禍」。私は密か禍のどちらかで悩んだが、「禍」の回答率は6%。3位は「病」で5%。これを見ると、「密」が断トツ。
さて、今年の漢字が発表される前に、いつもどこかの調査機関やマスコミが独自に今年の漢字は何が選ばれるかを調査したり、募集をして発表しているが、これが当たらない。
今回もどこの機関だったかは覚えていないが、そこでは「変」が1位と発表されていた。そして、「密」や「「禍」は7位や8位になっていた。まったく外れている。
ここが面白い。
「今年の漢字は何だと思いますか」と聞かれるのと、「今年の漢字は何が選ばれると思いますか?」と聞かれるのと違いがでているように感じている。
「自分が素直に思い浮かべる字」と「当てにいこうとしたときに浮かべる字」が違うのだ。それから、当てにいこうとすると外れるのである。
当てにいこうとするのではなく、事実や何が起きているかをシンプルに見て、自分が何を感じているのかを素直に見る。今年の漢字を当てるには、素直に事実を客観的に見ることが求められると思っている。
これが、私がおそらく10回近く毎年、この字を考えて、そして今回でようやく当てたのが2回目という経験から考えている事。
圧倒的に外れているときの方が多い。
ちなみに、昨年、私が予想したのは「和」。令和となったこと、そしてラグビーが盛り上がり、そこで「ONE TEAM」という言葉も頻繁に使われていたので、そこから予想した。
しかし、選ばれたのはシンプルに「令」だった。当てにいって外れた典型的な例。
事実をありのままに見て、感じること。最近、デザイン経営やアートを経営に活かすといったことがとりあげられる本が増えているが、そこに共通して書かれているのが、アートをありのままに見る大切さだ。それを養うのに絵画などアートは良いと伝えている。
それほど、現代人は事実をありのままに見られなくなっているということ。情報が増えすぎて素早く処理をしなければいけないことやデータ重視の見方が影響をしているようだ。
マーケテイングも組織のマネジメントも、まず大切なのは事実を客観的にありのままに見る事。そして、それは日ごろの生活をより良いものにしていくためにも必要なことだと思っている。
さて、最後に、「来年の漢字は何が選ばれるでしょうか?」
一年後の漢字を想像するとどんな字が浮かびますか?
もし、一年前に今年の漢字を想像していたとすれば、「密」「禍」「病」をあげただろうか。また、仮に一年前に、「この字が一年後に選ばれる字ですよ。」と教えられたら、一体どんな年になるのかと不安を募らせたはず。
オリンピックが予定されていたので、「密」は想像できたかもしれない。しかし、それはまったく違う意味だが。
さて、「来年、あなたが想像する字は何ですか?」
もし、京都の清水寺で今年と来年の漢字の両方を募集して発表すれば、また面白いことが発見できそう。
来年の字は、毎年明るいものが選ばれるはず。
そこは事実ではなく、人の願いや想いが表れるから。
そこで選ばれた来年の字は、マーケテイングに使えそうだが。操作になってしまうか。。。
さて、あなたが選ぶ来年の漢字は何にしますか?

